私たちのコンピューターには重要な情報が多く記録されており、万が一コンピューターウィルスやスパイウェアの被害に遭うと自他ともに大きな被害が発生する可能性があります。
そこで今回はコンピューターウィルスやスパイウェアの概要や、その対策方法についてまとめました。
目次
コンピューターウィルスとは
そもそもコンピューターウィルスとはどういった存在を指すのでしょうか。
まずはその概要についてお話していきます。
①コンピューターウィルスは一般に、ファイルなどに「感染」する悪質なプログラムのこと
有害な動作を目的とするプログラムは「マルウェア」と呼ばれます。
コンピューターウィルスは、マルウェアの一種ということになります。
第三者に被害をもたらす悪質なマルウェアはさまざまな種類があります。
そして経済産業省は以下の機能を持つものをコンピュータウイルスとして定義しています。
- 自己伝染機能
┗自身の機能を他の機能に伝染させる機能 - 潜伏機能
┗感染~ファイルが機能するまでに一定時間、潜伏期間を置く機能 - 発病機能
┗プログラムやデータの破壊、異常動作などを行わせる機能
その特性が病気のもとになるウイルスに似ていることから、「コンピューターウイルス」と呼ばれています。
★その他の「マルウェア」には、無害なファイルに見せかけて破壊活動などを行う「トロイの木馬」、宿主を持たず単体で被害をもたらす「ワーム」などがあります。
②内容はいたずらから犯罪に至るものまでさまざま
コンピューターウイルスを定義する条件に、被害の大きさは含まれません。
そのためコンピューターウイルスがもたらす被害は、「意図しない画像や文字が勝手に表示される」といういたずら程度のものから、個人情報を勝手に流出させる、パソコンの機能を破壊するなどの犯罪に至るものまで様々となっています。
③感染経路は主にメールやネットを通したファイルのダウンロード
コンピューターウイルスの感染経路は、主にメールやインターネットを通した「ウイルスに感染したファイルのダウンロード」です。
例外がないわけではないものの、基本的に新しいファイルをダウンロードしない限り、外部からウイルスが「勝手に」侵入することはめったにありません。
インターネットを利用している間に「あなたのパソコンがウイルスに感染している可能性があります」といった広告が表示される場合があります。
これ自体ウイルスではなく、悪質な広告の問題であることがほとんどです。
しかしながら、その中には実際に、ウイルスに感染したファイルのダウンロードへ誘導するものも存在するため十分に注意しましょう。
★ただし開くだけで強制的にダウンロードがはじまるような、悪質なサイトは存在します。
掲示板やメールに掲載された、怪しいリンクなどはクリック・タップしないようにしましょう。
CHECK3.勝手に広告が表示される「アドウェア」について
CHECK5.コンピューターウィルスやスパイウェア対策には何をすればいい?
スパイウェアとは
ここからは、コンピューターウイルスと混同されやすい「スパイウェア」について説明します。
①スパイウェアとは勝手にコンピューター内の情報を外部に送信してしまうソフトのこと
スパイウェアとは、ユーザーが意図しない形でコンピューター内の情報を外部に送信してしまうソフトのことを言います。
ウイルスとの違いは一般に増殖しないこと、そして悪質なものとそうでないものが含まれることにあります。
「悪質でないスパイウェア」の一例として、インストール時に提示される「使用許諾契約書」に基づき、ウェブサイトの閲覧記録などを所定の業者に提供するものなどです。
その一方で「悪質なスパイウェア」は、カードの情報などを含む個人情報を無断で流出させてしまう危険性があります。
②メールなどの他、フリーソフトに付随していることも多い
スパイウェアは、コンピューターウイルスと同じくメールやウェブサイトを通したダウンロードによって取り込まれます。
またこれに加え、スパイウェアはフリーソフトに付随してダウンロードされることもあります。
悪質なスパイウェアでないのなら「使用許諾契約書」に情報の提供についての案内が見られる他、スパイウェアのインストールの可否を選択できるのが一般的です。
勝手に広告が表示される「アドウェア」について
アドウェアとは広告表示によって収入を得るソフトウェアの総称です。
ただし最近は勝手に情報を送信するスパイウェアの特性を持つものや、ウイルス感染の不安を煽るような悪質なものも多く見られます。
特に後者については「ウイルスに感染していないパソコンの利用者の不安を煽り、ファイルをインストールさせ、本当にウイルスやスパイウェアに感染させてしまう」という事例も多発しています。
「あなたのパソコンがウイルスに感染している可能性があります」「あなたのパソコンが危険です」といった文面の広告には触れないようお気を付けください。
また仮にリンクを踏んでしまっても、ファイルなどをダウンロードしないでください。
ホームページ閲覧中に同意を求められることの多い「Cookie(クッキー)」とは
ウェブサイトを見ているとポップアップの形で「Cookie(クッキー)」についての同意を求められることが多いです。
Cookie(クッキー)は、「サイトを見ていると勝手に出てくる」「同意を求められる」という点においては悪質なアドウェアと見分けが付きづらいかもしれません。
しかし、Cookieを有効にすること自体に直接の問題はありません。
ここからはそんなCookieの機能について、簡単に解説していきます。
①Cookie(クッキー)とは、様々なWebサイトをより便利に利用するための機能
Cookieとは、ウェブサイトにアクセスした時に作成される小さな情報ファイルのことです。
前回アクセスした時の情報をあなたのパソコンに残しておくことにより、ウェブサイトをより便利に利用することができます。
1度使ったサイトに2度目のログインを行った際、IDやパスワードなどを再入力せずに済むことがあるのは、このCookieの機能によるものとなっています。
また一部のサイトでは、Cookieを有効にしないと上手くコンテンツが表示されない場合があります。
②ただしパソコンを共有する場合などには危険をもたらすことも
Cookieは「あなたのコンピューター(スマートフォンを含む)内」に情報を記録する仕組みであり、外部に情報を流出させることはありません。
ただしあなたが他の誰かとパソコンなどの端末を共有する場合には、Cookieにより情報を不正に使われてしまう可能性があります。
同じ端末を複数人で使う場合には、「Cookieを有効にしない」「作業後にCookieを削除する」といった方法を取ると良いでしょう。
参考Google Chrome公式HP「Chrome で Cookie の削除、有効化、管理を行う」
コンピューターウィルスやスパイウェア対策には何をすればいい?
ここからは、コンピューターウィルスやスパイウェアの被害に遭わないための対策についてお話していきます。
①提供元が確かでないメールやファイルを開かない(プレビュー画面を含む)
コンピューターウイルスやスパイウェアへの対策として、最も基本的な方法は「提供元が確かでないメールやファイルをダウンロードしない」ことです。
不安を煽るような広告のリンク先や、どこから届いたのかわからない添付ファイル付きのメールなどには、決して触れないでください。
特にメールにおいては、プレビュー画面を開いただけで悪質なファイルのダウンロードが始まってしまう例があります。
②ソフトをダウンロードする際には使用許諾契約書をきちんと確認する
フリーソフトなどをダウンロードする際には、面倒であっても「使用許諾契約書」の内容や、付随してダウンロードされるソフトの有無を確認しましょう。
これはフリーソフトとともに、スパイウェアがインストールされる例が決して少なくないためです。
また一部のサイトでは、意図しないソフトへのダウンロードを誘導するような悪質な広告が見られるため注意が必要です。
③ウィルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトを活用する
ウイルスやスパイウェアへの感染が疑われる状況ならば、専用のウィルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトを活用するのがベストでしょう。
有料で高機能なものも多く存在しますが、現在のコンピューターにははじめからウイルス対策の機能が備え付けられています。
まずはこれらの機能を使い、あなたのコンピューターに問題があるかどうかを確かめてみると良いでしょう。
CHECKMicrosoft公式HP「Windows セキュリティで項目をスキャンする」
CHECKApple公式HP「セキュリティ」
またスパイウェア対策については、専用のフリーソフト(無料ソフト)を活用してみるのも良いですね。
ただし優良なフリーソフトと悪質な広告などを見分ける自信がないのであれば、パソコンに詳しい方などに相談しましょう。
④最終手段はパソコンの初期化
仮にウイルスなどに感染し、コンピューターが大きな被害を受けた場合の最終手段は「コンピューターの初期化」となります。
つまり購入時の状態に戻すということです。
この場合は事前にデータを移行しておかないとすべての記録が消えてしまう形となりますが、被害の状況によってはそれが難しいこともあるでしょう。
どうしても個人での対応が難しいという状況にあるならば、費用こそ掛かるものの専用の業者への依頼も検討しましょう。
まとめ
- コンピューターウイルスとは、第三者に被害をもたらす悪質なプログラムの分類の1つで、病原菌のように「感染」する
- スパイウェアとは、ユーザーの意図にかかわらず情報を外部に送信させてしまうソフトのこと
- ウイルスもスパイウェアも、「サイトを見ているだけ」で感染することは稀。
重要なことは提供元の分からないファイルをダウンロードしたり、怪しいリンクを踏まないこと
基本的に、「ネットを見ているだけ」であれば悪質なプログラムを取り込んでしまうことは稀です。
安全にパソコンやスマートフォンを使うためには、「不安を煽るような広告をクリックしない」「提供元の分からないリンクやメールを開かない」ことを徹底したいところです。