コンタクトレス決済は、ここ数年で大きく普及したキャッシュレス決済方法の1つです。
今回はそんな「コンタクトレス決済」の概要とメリット・デメリット、そして具体的な使い方について紹介します。
コンタクトレス決済とは
まずは「コンタクトレス決済」の概要について解説します。
①カードやスマートフォンをかざすだけで支払いができる
コンタクトレス決済とは「Contact-less」の名前の通り、カードなどと端末を接触させずに支払いを行うサービスの総称です。
この支払方法はコンタクトレス決済の他、「非接触型決済」「タッチ決済」と呼ばれることもあります。
このような非接触型の支払方法は時間がかからずスムーズに支払いができることに加え、衛生上のリスクを減らせるというメリットを持つことでも注目を集めています。
また、支払いの際に暗証番号の入力やサインは必要ありません。
②従来の電子マネーに加え、対応カードや端末は急増中
コンタクトレス決済の方法として最も普及しているのは交通系ICカードでしょう。
電車やバスに乗る際、「カードをかざすだけ」で支払いができる電子マネーは、私たちの生活にも身近な存在です。
また最近はお買い物用のカードやスマートフォンを通したサービスなど、コンタクトレス決済に対応したカードや端末と、それを利用できる場所は増え続けています。
③ヨーロッパなど海外の一部地域では最も普及率の高いキャッシュレス決済
現在での日本では、さまざまなキャッシュレス決済が使われています。
特に身近に感じる方が多いのは、カード払いの他、交通系ICカードを含む電子マネーやQRコード決済でしょうか。
これに対し、西欧などの一部地域では圧倒的にコンタクトレス決済の普及率が高く、スーパーマーケットやドラッグストア、個人経営のカフェやパン屋などに至るまで、VISAやMastercardのタッチ決済が活用されています。
そして日本のカード会社もこの支払い方法の普及を推し進めていることから、コンタクトレス決済は日本国内でも勢力を伸ばしていくことでしょう。
コンタクトレス決済が使える場面とその使い方
ここからは、コンタクトレス決済を利用できる具体的な場面とその使い方について解説します。
①バスや電車、地下鉄などへの乗車(交通系ICカード)
都市部で最も普及している交通系ICカードは、多くの方にとって非常に身近なコンタクトレス決済の手段です。
現金または提携カードを使い電子マネーカードにお金をチャージ(入金)、そのお金を改札で使用することで、切符を購入することなくスムーズに交通機関を利用することができます。
②電子マネーカード
続いて普及率の高いコンタクトレス決済の方法として挙げられるのが、特定のお店で使える電子マネーカードです。
- WAON
- nanaco
- 楽天Edy
こちらも交通系ICカードと同じく、事前にカード内にお金をチャージ(入金)することで利用可能となります。
③国際ブランドのタッチ決済
ここ数年で大きく普及率を伸ばしているのが、国際ブランドが提供するコンタクトレス決済です。
- VISAのタッチ決済
- Mastercardコンタクトレス
- JCBのタッチ決済
- American Expressタッチ決済(コンタクトレス決済)
- ダイナースクラブ コンタクトレス (タッチ決済)
この支払方法を利用できるのは、券面に以下のマークが搭載されているカードです。
この支払方法を利用したい場合には、「カード払いで」と伝え、カードを電子マネーの読み取り部分にかざすだけで支払いが完了します。
先述の電子マネーとは異なりチャージの必要がないことから、特に利便性の高い支払方法だと言えるでしょう。
④iD、QUICPay
iD、QUICPayはコンタクトレス決済を行うための日本独自の規格です。
こちらも利用できるのは、主にコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの大手チェーン店です。
「iD」の機能が付いたカードであれば「iD」の加盟店、「QUICPay」の機能が付いたカードであれば「QUICPay」の加盟店でコンタクトレス決済が可能です。
どちらの決済も使える加盟店も多くあります。
この決済方法を使いたい場合には、お支払いの際に「iDで」または「QUICPayで」とお伝えください。
その後はiDまたはQUICPayの搭載されたカードなどを、電子マネーの読み取り部分にかざすことで支払いが完了します。
CHECKiD公式HP「使えるお店をさがす」
CHECKQUICPay公式HP「QUICPayの使えるお店」
★一部のカードはiDやQUICPayと国際ブランドのタッチ決済の両方を利用可能です。
⑤スマホ決済
ApplePayやGoogle Payといったスマホ決済は、お手持ちの電子マネーをスマートフォンをかざすだけで使えるようにしたものです。
例えばApplePayに交通系電子マネーを登録すると、スマートフォンをかざすことで交通系電子マネーの支払いが可能となります。
タッチ決済の機能が搭載されていないカードであっても、ApplePayやGoogle Payに登録すれば「かざす」支払いができます。
スマホ決済を利用する場合の支払方法や加盟店は、登録した電子マネーの種類に準じます。
つまり交通系電子マネーを登録したなら交通系電子マネーと同じお店・同じ方法で支払いが可能になります。
- QUICPay
- iD
- Suica
- PASMO
※クレジット機能の付いたカードを登録すると、「QUICPay」または「iD」のどちらかを利用できます。
どちらが適用されるかは、カードの発行元によって異なります。
コンタクトレス決済を利用する上での注意点
ここからは、コンタクトレス決済を利用する上で知っておきたい注意点について解説します。
①一定金額を超えると利用できない
コンタクトレス決済は、手軽さに特化しているため、その利用可能額に上限が設けられていることが多いです。
この上限額は、一般的に1万円とされています。
★ICチップ決済(接触型決済)などを利用すれば、同じカードを使って1万円を超える決済が可能です。
②カードを盗まれると不正利用されやすい(※補償あり)
コンタクトレス決済を利用する上で、原則として暗証番号の入力やサインは必要ありません。
そのため仮にカードを盗まれてしまった場合、不正利用の被害に遭う可能性が高くなることは否定できません。
★ただしすべてのカード会社は不正利用に対し、一般に60日間の補償を行っています(利用者に悪意や重過失がある場合などを除く)。
③国際ブランドごとに使えるお店に違いがある
国際ブランド(VISA、Mastercardなど)のタッチ決済は、ブランドごとに使えるお店に違いがある場合があります。
タッチ決済の機能の付いたカードを手に入れたいという場合には、事前に国際ブランドごとの加盟店(使えるお店)を確かめておくと良いでしょう。
特に海外ではVISA、Mastercardの支払いにしか対応していないという場面も多いです。
コンタクトレス決済についてのまとめ
- コンタクトレス決済とは、カード等と支払い端末を接触させずに決済を行う方法の総称
- 暗証番号の入力やサインをすることなく、「かざすだけ」で支払いができるのが最大のメリット
- コンタクトレス決済は交通系ICカードなどの他、VISAタッチ決済の機能が付いたカードなどで利用でき、その普及率を伸ばしている
近年、大手カード会社はコンタクトレス決済(タッチ決済)に対応したカードを積極的に発行しています。
新しくカードを選ぶ際には、今よりもスムーズに支払いのできる「コンタクトレス決済に対応しているかどうか」を基準としてみるのも良いでしょう。