「定期預金ってお金が貯まるイメージがあるけど、どうしてお金が貯まるんだろう?」
定期預金とは一定期間お金を引き出せない代わりに金利が高い預金です。
金利が高いため、利息が多くつきお金が貯まりやすいのです。
銀行は定期預金を預けられると、他の企業に融資をしやすくなります。
そのため、定期預金の金利を優遇しているのです。
このページでは、定期預金の仕組みから定期預金を調べる上で知っておきたい用語まで詳しく解説します。
読み終えていただければ、定期預金の便利な使い方が分かりますよ。
※本記事では分かりやすさを優先し、税引前の金利・利息を表示しています。
実際には全ての金利・利息に地方税など20.315%の税金がかかります。
予めご了承ください。
(記事内の利息)×(1-20.315%)
例)記事内で1万円の利息がもらえると書いてあった場合の実際に貰える金額
1万円×(1-20.315%)
=7968.5円
目次
定期預金は一定期間引き出せない代わりに金利が高い!
定期預金は自由に引き出しができない代わりに、金利が高いおトクな預金です。
「銀行を使った貯金箱」のようなサービスです。
①預入期間が終わるまでお金を引き出せないが、金利は高い
預入時に選んだ「預入期間」が終わるまでお金を引き出せないのが特徴です。
例えば、「6カ月間、この100万円を預けます」と預けた場合、6カ月後までその100万円は引き出せません。
急にお金が必要になっても基本的にはお金を引き出せないため、とても不便です。
その代わり金利は高めに設定されており、お金が増えやすくなっています。
普通預金との金利差は多くの銀行で2〜10倍以上、定期預金に特化したネット銀行などでは普通預金と30倍以上の金利差があるところもあります。
銀行名 | 普通預金金利 | 定期預金金利 |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 年0.001% | 年0.002% |
イオン銀行 | 0.001% (イオン銀行Myステージの特典が受けられない場合) | 0.010% |
オリックス銀行 (eダイレクト預金) | 0.01% | 0.10%〜0.30% |
②定期預金は銀行にとって都合が良いから、金利が高い!
なぜ、このように定期預金は金利が優遇されているのでしょうか。
それは、定期預金は銀行にとって都合の良い預金であるからです。
銀行は企業や個人にお金を貸すことで利益を出しています。
ローンなどに代表される、貸出業務ですね。
定期預金は「6カ月間この100万円は絶対に下ろしません」と宣言してお金を預けるようなものです。
定期預金で預けて貰えれば、銀行はその100万円を6カ月間好きに貸し出せるためとても便利です。
そのため、金利を優遇して定期預金をしてもらおうとしているのですね。
定期預金最大のメリットは高金利ですが、中には金利以外のメリットがあるユニークな商品もあります。
auじぶん銀行「BIG付き定期預金」 | |
---|---|
特徴 |
|
金利 | 0.012% |
預入期間 | 1年(固定) |
金利は控えめな部類ですが、満期時の楽しみが増えるのは嬉しいですね。
各行さまざまな定期預金を展開しているので、自分に合ったユニークな商品を探すのも良いでしょう。
定期預金はこんなときにおすすめ!お金の管理にとても便利
定期預金は金利が高くおトクですが、自由に出金できないというデメリットも持っています。
そのため、定期預金を上手く使えるケース以外ではデメリットが目立ってしまいます。
この項目では定期預金を活用できる3つのケースをご紹介します。
あなたに当てはまるようでしたら、ぜひ定期預金をするか検討してみてください。
①ケース1:長い間預けたままの預金がある
普通預金口座に長い間使っていないお金が眠っているのなら定期預金の大チャンスです。
使っていないお金を活用しておトクにお金を増やせる可能性があります。
定期預金のデメリットは「自由に出金ができない」ということのみ。
普段出金しないお金なら、定期預金にしてしまってもデメリットはほとんどありません。
口座残高があまり減らない、というあなたは使っていないお金を定期預金に入れるのがおすすめです。
②ケース2:子どもの入学に向けてお金を保管しておきたい
将来、まとまったお金が必要だというあなたにも定期預金がおすすめです。
入学や結婚など、あらかじめ資金確保しておきたいときに便利な定期預金活用法です。
定期預金には「自由に出金できない」というデメリットがありますが、言い換えれば「間違ってお金を引き出す心配がない」ということになります。
取っておきたいお金をいったん避難させるのに定期預金は便利です。
「入学費用は確保できたから、間違って使わないよういったん別の場所に預けておきたい」
といった場合には、利息でお金も増えて一石二鳥な定期預金がおすすめです。
まだお金は用意できていないけれど、これから少しずつ貯めていく……という場合には「積立式定期預金」がおすすめです。
積立式定期預金は少しずつ預けていくタイプの定期預金です。
定期預金と同じく、金利が高く自由に出金できないという特徴があります。
定期預金との違いはお金の預け方のみ。
「貯金箱に毎日100円ずつ入れていく」というイメージの預金ですね。
一方で、大金を預けられるようになるまで時間がかかるため、利息は思ったよりも貰えないというデメリットもあります。
これから入学資金を貯めていく場合などにはぴったりの定期預金ですね。
③ケース3:お金をついつい使いすぎてしまうクセがある
お金をついつい使いすぎてしまい、貯金がなかなか増えない……という場合にも定期預金がおすすめです。
定期預金に預けたお金は自由に出金できないため、定期預金に預けたお金は満期までとっておくことができます。
こうしたお金の管理に向いているのは、預入期間を自由に決められる定期預金です。
多くの定期預金は預入期間が1カ月・1年間と指定されているため、お金の細かい管理には少し向いていません。
一方で、預入期間を自由に決められる定期預金ならば自分のペースでお金を管理するのにぴったりです。
預入期間については、こちらの項目で詳しく解説しています。
「残高があるとお金を使ってしまう」という場合には定期預金にお金を預けてお金を一度隠してしまうのがおすすめです。
【金利の見方】定期預金関連の用語を解説!
続いて、金利の見方や定期預金関連の用語を解説し、あなたが定期預金を選ぶときの手助けをします。
各行の定期預金紹介を見てみると、普段あまり使わない言葉や金利の数字がズラリと並んでいて理解できず、結局読むのをやめてしまった経験はありませんか?
今回はそんなとき困らないよう、金利を見るときのコツやよく使われる用語について解説していきます。
あなたが定期預金を探すときの助けにきっとなりますよ。
①【金利の見方を解説】預金期間が長く、預金額が多いほど金利は高い傾向にある
まず初めに、金利を見るときのコツをお伝えします。
その銀行で一番高い金利を見つけたいときは「預入期間が長く、預入金額が多いもの」を見ましょう。
金利は預入期間が長く、預入金額が多くなるほど高くなる傾向にあるためです。
長く、多く預けてくれるほど銀行にとってはありがたいので金利を優遇しているのですね。
まずは実際の金利を確認してみましょう。
預入期間 | オリックス銀行ダイレクト預金の預入金額 | ||
---|---|---|---|
100万円以上300万円未満 | 300万円以上 | 1,000万円以上 | |
6カ月 | 0.04% | 0.08% | 0.08% |
1年 | 0.06% | 0.10% | 0.10% |
2年 | 0.07% | 0.11% | 0.11% |
3年 | 0.11% | 0.15% | 0.15% |
5年 | 0.16% | 0.20% | 0.20% |
金利を見てみると、預入金額が100万円以上300万円未満のときは、300万円以上預けた場合に比べて金利が低くなっています。
また、こちらの例では最も預入期間の長い5年もの定期預金の金利が一番高くなっていますね。
ただし、使い勝手の良い1年もの定期預金を好金利で提供していることもあるので注意が必要です。
(1)【金利の見方】預入期間を好きに決められる銀行の場合
ほとんどの銀行では、定期預金の預入期間は選択制です。
しかし、中には預入期間を自由に決められる銀行もあります。
GMOあおぞらネット銀行「円定期預金」 | |
預入期間 | 1カ月以上10年以下の期間から1日単位で選択できる |
---|---|
金利 | 預入期間ごとに決められている |
預入期間を決める際には、こうした金利の情報も参考に決めると良いでしょう。
1週間などの短期定期預金も、自由に預入期間を決められる定期預金同様使い勝手が良いです。
引き出せない期間が1週間と短いため、さまざまな状況に対応しやすいのです。
長期間預ける場合でも、1週間定期預金に繰り返し預ければ問題ありません。
こちらの項目で解説する「元利自動継続」設定を使えば、何度も預金手続きをする必要もありません。
短期定期預金ができる銀行と金利の例は以下の通りです。
預入期間 | 銀行名 | 金利 |
---|---|---|
1週間定期預金 | SBJ銀行 | 0.1% |
楽天銀行 | 0.02% | |
2週間定期預金 | オリックス銀行 | 0.07% |
新生銀行 | 0.03% | |
楽天銀行 | 0.02% |
気軽に始められる短期定期預金で定期預金デビューするのも良いかもしれません。
(2)【金利の見方】「都市銀行・メガバンク」「ネット銀行」それぞれのメリット
また、金利は都市銀行・メガバンクよりもネット銀行の方が高い傾向にあります。
ネット銀行は店舗がない分、窓口業務などのコストをカットして金利として還元できるのです。
銀行名 | 定期預金金利 |
---|---|
三菱UFJ銀行 | 年0.002% |
みずほ銀行 | 0.002% |
三井住友銀行 | 0.002% |
銀行名 | 定期預金金利 |
---|---|
イオン銀行 | 0.01% |
PayPay銀行 | 0.02~0.03% |
オリックス銀行「eダイレクト預金 」 | 0.1~0.3% |
一方、都市銀行・メガバンクには長い歴史の中で培った信頼があります。
大金を預けることも多い定期預金では、高金利のネット銀行も信頼ある都市銀行・メガバンクも一長一短です。
自分の好みに合った銀行から金利を調べていくと良いでしょう。
②【年利】預金金利は1年間で何%お金が増えるかを表している
預金の金利はいずれも「年利」換算で表示されています。
そのため、定期預金に関しては金利=年利と読み替えてしまって差し支えありません。
年利とは、1年間お金を預け続けたときお金がどれだけ増えるのかを表した数値です。
年利1%の預金に1年間預ければ、預金額の1%に相当する金額が利息として貰えます。
実際に、計算して求めてみましょう。
100万円を1年間、金利1%の預金に預けた場合の利息を計算します。
(元金)×(金利)
=100万円×1%
=1万円
この場合、利息は1万円です。
そのため、預金残高は元金の100万円と合わせて101万円になりますね。
では、預ける金額を増やして200万円預けた場合の利息を計算してみましょう。
先ほどと同じように、金利は1%で1年間預けるとします。
(元金)×(金利)
=200万円×1%
=2万円
今回は2万円の利息がつきました。
では、金利が5%の場合の利息も計算してみましょう。
200万円を1年間預ける場合を考えます。
(元金)×(金利)
=200万円×5%
=10万円
1年間預けたときの利息は10万円になりました。
元金100万円と合わせて、預金残高は110万円になります。
③【単利・複利】利息の計算方法について
利息の計算方法には2種類あります。
「単利計算」と「複利計算」です。
単利計算では、利息の計算に関わるのは元金額のみです。
一般的な利息の計算方法で、多くの定期預金で利息の計算に使われています。
利息の計算がシンプルで、いくらお金が増えるのかが分かりやすい計算方法です。
(元金)×(金利)×(預入年数)
100万円を金利2%の預金に5年間預けた場合の利息
(元金)×(金利)×(預入年数)
=100万円×2%×5年
=10万円
一方の複利計算では、新たな利息の計算に元本とそれまでの利息を両方用います。
その中でも半年ごとに利息を元金へ加えるものを「半年複利」といい、定期預金でよく見かけます。
(元金)×
(100%+金利÷2)の(複利回数)乗
-(元金)
100万円を金利2%(半年複利)の預金に5年間預けた場合の利息
(元金)×(100%+金利÷2)の(複利回数)乗-(元金)
=100万円×101%の(10回)乗-100万円
=10万4622円
④【満期時の取り扱い】満期時の取り扱いは多くの場合3通りある
満期を迎えた定期預金は、預けられていたお金と利息を別の場所に移動させなければなりません。
一般的に、満期を迎えた定期預金口座にはお金を預けられないためです。
そのため、定期預金は契約する際に「満期時の取り扱い」を選ぶ必要があります。
満期時の取り扱いは多くの場合3通りあります。
「自動解約」、「元金自動継続」および「元利自動継続」です。
それぞれ、定期預金満期時に「元金」と「利息」をどのようにするかが違います。
まずは次の表で一気に確認してしまいましょう。
元金 | 利息 | |
---|---|---|
自動解約 | 普通預金口座に入金 | |
元金自動継続 | 新たな定期預金口座に入金 | 普通預金口座に入金 |
元利自動継続 | 新たな定期預金口座に入金 |
(1)【自動解約】お金は全て普通預金口座へ移動
「自動解約」は一番シンプルな満期時の取り扱い方法です。
元金も利息も、定期預金口座のお金は全て自分の普通預金口座へ移動させます。
(2)【元金自動解約】元金と利息が違う場所へ入金される
「元金自動継続」は少し複雑です。
定期預金のお金のうち、普通預金口座に入金されるのは定期預金で増えた利息のみ。
最初に預けた元金は普通預金口座に入金されず、新たな定期預金口座へ入金されます。
新たな定期預金口座の預入期間は、満期を迎えた定期預金口座と同じ預入期間です。
元金自動継続の流れ
1年もの定期預金口座へ入金
満期時の取り扱いは
「元金自動継続」にする
利息1万円が発生
入金される
新たに作られた
1年もの定期預金へ入金される
新しい定期預金が満期を迎える
利息1万円が発生
元金100万円は再び
新たな1年もの定期預金へ入金される
元金自動継続では満期時の取り扱いを変更しない限り、最初に預けた元金が返ってきません。
満期時の取り扱いはインターネットなどからいつでも変更可能です。
ただし、設定の反映に時間のかかる定期預金もあります。
そのため、「そろそろ定期預金はやめようかな」と思ったら忘れずにすぐ設定変更しておきましょう。
(3)【元利自動継続】元金が増える為、利息も増える
「元利自動継続」は、元金と利息がどちらも新たに作られる定期預金へ元金として入金されるのが特徴です。
元金がひとつ前の定期預金の利息によってどんどん増えていくため、新しい利息もどんどん増えていきます。
フローチャートでその流れを確認してみましょう。
元利自動継続の流れ
1年もの定期預金口座へ入金
満期時の取り扱いは
「元利自動継続」にする
利息1万円が発生
合わせて101万円を新たに作られた
1年もの定期預金口座へ入金する
新しい定期預金が満期を迎える
利息1万100円が発生
合わせて102万100円を
再び新たに作られた
1年もの定期預金口座へ入金する
上の例の通り、元利自動継続で定期預金を運用すると利息がだんだん増えていきます。
自動的に次の定期預金を始められるため、1週間定期預金などを繰り返し行う場合でも手続きの手間が省けます。
その一方で、満期時の取り扱い設定を変更しなければ元金も利息も普通預金口座に入金されません。
元利自動継続は便利な設定ですが、預けっぱなしになってしまわないよう満期時の取り扱い設定には注意しましょう。
定期預金でここが心配。預けたお金は必ず返ってくる?
次に、定期預金で心配になる点をひとつずつ解決していきます。
定期預金はノーリスクな金融商品なので、「預ける前よりお金が減って損をする」ということは基本的にありません。
ただし、場合によっては「定期預金よりも普通預金に預けた方が良かった」となることもあります。
定期預金をする上での心配事を一気になくし、安心して定期預金できるようになりましょう。
①定期預金は途中で解約できる!利息は減るが、預けたお金は全額返ってくる
定期預金は金利が高い代わりに、自由に出金ができない金融商品です。
そのため、お金が急に必要になっても定期預金に預けたお金は使うことができません。
しかし、実は定期預金は満期日前でも中途解約が可能です。
中途解約することで、お金を引き出せるようになります。
ただし、ペナルティとして利息はほとんど貰えなくなってしまいます。
実際の例で確認してみましょう。
PayPay銀行の「円定期預金」(金利0.02%)に100万円を1年預けていた場合…… | |
---|---|
半年で中途解約してしまった場合 | 中途解約してしまったため、利息の計算には定期預金金利0.02%ではなく、中途解約利率0.002%が適用されます。 (元金)×(中途解約利率)×(預けていた年数) |
満期まで預けていた場合 | (元金)×(定期預金利率)×(預けていた年数) =100万円×0.02%×1年 =200円 |
参考:PayPay銀行の「普通預金」(金利0.001%)に半年預けた場合 | (元金)×(普通預金利率)×(預けていた年数) =100万円×0.001%×0.5年 =5円 |
このように、中途解約すると定期預金最大の魅力である利息が激減してしまいます。
ただし、預けていたお金は全部返ってくるため「定期預金をしてお金が減ってしまった」ということにはなりません。
なお、一部の特殊な定期預金では中途解約ができません。
そういった定期預金では中途解約した場合に元本割れを起こすこともあるため、「定期預金をしてお金が減る」という事態になるかもしれません。
特殊な定期預金に預ける場合は、利用規約などをよく読んだ上でお金を預けましょう。
②万一、銀行が倒産しても1000万円までは預けたお金を返してもらえる
大金を預ける可能性の高い定期預金をする上で心配なのが銀行の倒産です。
特に、高金利の定期預金を展開するネット銀行は銀行としての歴史が浅いため、大金を預けるのは不安が残ります。
しかし、心配はいりません。
(1)「預金保険制度」によって預金が保護される
多くの定期預金は預金保険制度の対象になっているため、1000万円までは預金が保護されるのです。
預金保険制度とは「預金保険法」によって制定された金融機関の破綻に対処するための制度です。
英語で「ペイオフ制度」とも呼ばれますね。
この制度でカバーできるのは1000万円までですので、不安のある銀行には1000万円以上預けないようにすればお金がなくなる心配はありません。
定期預金や利息の付く普通預金等(一般預金等)は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
例えば、ある銀行に1500万円預けていたとしましょう。
そして、その銀行が倒産してしまったとします。
この場合、返ってくるのは1000万円と1000万円につく利息のみで、預けていた1500万円のうち、500万円は残念ながら返ってきません。
また、別の人がその銀行に100万円預けていたとしましょう。
その場合、倒産したときには全額100万円が返ってきます。
(2)保険預金制度の保護対象に注意しよう
預金保険制度の対象になるのは当座預金や普通預金、定期預金です。
次の項目で解説する「外貨預金」は預金保険制度の対象外となります。
定期預金の商品説明を読めば、預金保険制度の対象になっているかどうかが分かります。
なお、預金保険制度によって保護されるのは「普通預金、定期預金など合わせて1000万円まで」です。
つまり、普通預金に1000万円、定期預金に500万円、と預けているときに銀行が倒産しても返ってくるのは1000万円とその利息のみとなります。
また、この場合の受取利息は普通預金の金利で計算されてしまうため、多くの利息は期待できません。
銀行が倒産した場合の利息は「満期が遠い(ない)もの」「金利が低いもの」を優先して保護するためです。
同一の預金者が一般預金等の口座を複数有しており、かつ、その元本が1,000万円を超える場合には、次の順位により、付保預金を特定します。
- 担保権の目的となっていないもの
- 弁済期(満期)の早いもの
- 弁済期(満期)が同じ預金等が複数ある場合は、金利の低いもの
- 金利が同じ預金等が複数ある場合等は、預金保険機構が指定するもの
- 担保権の目的となっているものが複数ある場合は、預金保険機構が指定するもの
円定期預金の利息に満足できなければ、高金利の外貨定期預金もチェックしてみよう
最後に、定期預金の中でも格別に高金利な「外貨定期預金」を紹介します。
外貨定期預金は名前の通り、米ドルやユーロなどの外貨を使った定期預金です。
円定期預金金利が0.01〜0.3%前後であるのに対し、例えば米ドル定期預金金利は2%前後の高い金利を持ちます。
ただし、その一方で元本割れを起こす可能性があるという円定期預金にはないデメリットも。
「定期預金をしてお金が減った」ということもあり得るハイリスクハイリターンな預金になっています。
また、預金保険制度の対象外であるため銀行が倒産しても預金が保護されません。
高金利が魅力的な一方で、取り扱いの難しい外貨定期預金について詳しく説明していきましょう。
①多くの外貨定期預金は円定期預金よりも高金利!
外貨定期預金は外貨を使った定期預金です。
手持ちの日本円を米ドルやユーロなどの外貨に両替し、両替した外貨を銀行に預ける定期預金です。
銀行名 | 定期預金名 | 金利 | |
---|---|---|---|
イオン銀行 | 円定期預金 | 一律0.01% | |
外貨定期預金 | 米ドル定期預金 | 1.2~2.4% | |
豪ドル定期預金 | 0.7~1.75% | ||
NZドル定期預金 | 1.2~2.6% |
円定期預金と比較して、外貨定期預金が高金利なのが分かります。
ただし、外貨の両替には「為替手数料」や「為替コスト」と呼ばれる手数料がかかります。
その金額は各金融機関によって異なり、「外貨1枚を交換するのに何円手数料が必要か」という表示で書かれていることがほとんどです。
1通貨交換するのに必要な手数料は0.2円前後であることが多いですが、為替手数料が安い銀行なら1通貨あたり0.05円ほどで両替できてしまう場合もあります。
また外貨定期預金は手数料以上に金利が魅力的なため、上手く使えばお金がどんどん増えていきます。
しかし、両替のタイミングを間違えると大きく損をしてしまう可能性も。
次の項目で解説します。
②高金利な反面、円高のときに両替すると元本割れする可能性も
先ほどの項目で解説した通り、外貨定期預金では交換した外貨を円に戻さなければなりません。
両替する際には「為替レート」に注意が必要です。
円に戻す際、為替レートが円高だと元本割れを起こしてしまう可能性があります。
為替レートとは1ドル=100円などの通貨の交換比率です。
1ドル=100円の場合「1ドルくれたら100円に交換してあげるよ」「100円あれば1ドルに交換してあげるよ」という意味になります。
この交換比率が1ドル=80円などに変動した場合を「円高」といいます。
100円用意して1ドルに交換していたものが「80円だけでも1ドルに交換してあげるよ」と変わったわけですね。
ドルに対して「円」の価値が「高」くなったため「円高」といいます。
しかし、これは「1ドル出しても80円しかあげない」という状態になったとも言い換えられます。
そのため、外貨を円に両替する際「100円出して1ドルに交換してもらったのに、1ドルは80円で交換された」ということになりかねないのです。
これが外貨定期預金での元本割れの原因になります。
具体的な例で確認していきましょう。
外貨定期預金で元本割れになる例
100万円分、米ドルを預金
為替レートが1ドル=100円
だったので1万ドル預けられた
利息200ドルが発生
外貨預金額は元金と合わせて
1万200ドルになった
しかし、1万200ドルを両替してしまう
=1万200ドル×80円
=81万6000円
日本円に戻したところ
81万6000円にしかならなかった
100万円で預金を始めたので、
18万4000円も損をしてしまった
元本割れを起こさないためには、円高ではないときに円へ戻す必要があります。
すなわち、円安のときに円へ戻せば良いのです。
円安とは円高とは逆に「円」の価値が「安」くなっている状態です。
1ドル=100円から1ドル=120円になったときなどは「円安」です。
「100円で1ドルに交換してあげる」から「120円ないと1ドルに交換してあげない」になったためですね。
逆に「1ドルくれたら100円に交換してあげる」から「1ドルくれたら120円あげる」とも言えます。
つまり、円安のときに円へ戻せば元本割れを起こさないのです。
それどころか、「為替差益」と呼ばれる利益を生むこともできます。
先ほどの例を使って、円安時の両替について確認してみましょう。
外貨定期預金で大きく得をする例
100万円分、米ドルを預金
為替レートが1ドル=100円
だったので1万ドル預けられた
利息200ドルが発生
外貨預金額は元金と合わせて
1万200ドルになった
そこで、元本割れを避けるため
為替レートが円安になるまで
両替せずに待つことにした
1ドル=120円の円安になる
円安になったので
預金1万200ドルを円に戻す
=1万200ドル×120円
=122万4000円
100万円で預金を始めたので
22万4000円もお金が増えた
円高時に両替せず、円安になるまで待ったところ22万4000円の利益が生まれました。
このように、元本割れを起こさないためには「円安になるまで両替せずに待つ」ということが重要になります。
円へ戻すタイミングは自由に決められるため、円高のときには円へ戻さないようにしましょう。
まとめ
- 定期預金は自由に出金できない代わりに金利が高い。自由に出金できないのはデメリットだが、お金の管理に活用できるという側面もある
- 預入期間を好きに決められる定期預金や、1週間などの短期定期預金はよりお金の管理に向いている
- 金利は預入期間が長く預入金額が多いほど高金利になる傾向がある
- 金利は年利換算で表示されており、預金額の何%が1年後に利息として貰えるかを表している
- 定期預金は途中で解約して、預金を取り出せる!利息は激減してしまうが、元金はすべて返ってくるため「定期預金を解約してお金が減った」ということにはならない
- 万一銀行が倒産しても1000万円までは預金を保護してくれる。ただし保護されるのは普通預金、定期預金等合わせて1000万円までなので注意が必要となる
- 外貨定期預金は高金利!元本割れのリスクもあるハイリスク・ハイリターンだが、円安時に外貨を円へ戻せば元本割れにはならない
定期預金は自由に出金ができず、取り扱いの難しい側面がありますが、上手く使えばおトクな預金です。
この記事を参考に、自分に合った預金先を見つけましょう。