【Bizプリカ】経費立替えの手間を大幅カット!法人クレジットカードとの違いは?
キャッシュレスでスムーズ、そして安全に、経費の支払いや管理ができる方法は無いかな?
そんな経営者にとって、一考の価値アリと言えるのが「Bizプリカ」。
その内容は「ビジネス用プリペイドカード」そのものであり、「安全性を保った上で、経費の立て替えに関する手間をカットしたい」場合には有力な選択肢となることでしょう。
…とは言え気になるのは、同じくキャッシュレスでの「立て替え」に対応した法人向けクレジットカードの存在です。
そこで今回は「Bizプリカ」の特性・基本情報と、法人向けクレジットカードと比べた際のメリット・デメリットをまとめました。
法人向けクレジットカード「Bizプリカ」の基本情報と特性
それでは早速、「Bizプリカ」の基本情報やその特性について見ていきましょう。
発行対象 | 法人(個人事業主不可) |
---|---|
会費 | 月100円/枚 ※現在6ヶ月無料 |
発行枚数制限 | なし |
国際ブランド | Mastercard |
チャージ上限額 | 200万円/回 300万円/日 1000万円/月 1.2億円/年 |
チャージ手数料 | 無料 |
提携ソフト (2020年6月現在) |
|
注意点 |
※上記に問題があるようなら、法人クレジットカードをご利用ください。 |
①「カード払い対応店で利用できる、チャージ式カード」を各従業員に持たせられるように
「Bizプリカ」は名前の通り、ビジネス向けのプリペイド(前払い式)カード。
基本的な仕組みについてはSuica等の交通系ICカード、nanaco等と同じように考えて頂いて構いません。
「前払い式」であるせいで、限度額の範囲内で自由に使えるクレジットカードに比べると制限が多いのは確かですが……。
「カードを従業員に持たせる」ことを前提とするなら、使い込みを防げるという意味でメリットとも言えるでしょう。
またこの「Bizプリカ」にはMastercardのロゴマークが搭載されています。
そのためSuica等よりも広い範囲で、具体的には「クレジットカード払い」に対応しているほとんどのお店(オンライン上のもの含む)で利用可能。
②サービス利用料は「1枚当たり月100円」、発行枚数制限は無し
プリペイド(前払い)式だから、従業員にも低リスクで持たせられる「Bizプリカ」。
気になるサービス料は「1枚あたり月100円」となっています。
無料で作れる法人クレジットカードの存在を考えると特別安いわけではありませんが……。
年度の途中で解約しても会費が無駄にならないという意味では申し込みやすいと言えるでしょう。
ちなみに発行枚数制限はありませんので、月会費の支払いさえ問題なければ、何枚でも「Bizプリカ」を利用可能です。
③入金は無料&ネット上で完了、さらに部門ごとに管理可能
実際に「Bizプリカ」を利用する際のイメージは、以下のようになります。
「Bizプリカ」利用イメージ
各「部門さいふ」に入金額を移動
※カードが少数ならこの過程は不要
各「Bizプリカ」(ユーザーさいふ)へ残高を移行
(=チャージ)
以上の手続きは(インターネットバンキング環境が整っていれば)すべてインターネット上で完結可能。事前チャージの手間は最小限と言って良いでしょう。
またカードが複数枚にわたる場合には、「部門さいふ」を用いた部門ごとの管理も可能です。
★Bizプリカを利用する上でチャージ手数料は発生しません。
ただし最初の振込の過程で振込手数料が発生する場合はあります。これはBizプリカではなく、銀行(あるいはその他金融機関)の取り決めによります。
★「ユーザーさいふ」(各Bizプリカ)から「部門さいふ」「代表さいふ」への入金額の差し戻しも可能です。この場合も手数料は発生しません。
④「勘定奉行」「マネーフォワード」などの会計ソフトと提携、利用履歴をすぐに取り込める
もしもあなたが「Bizプリカ」提携の会計ソフトを使っているのなら、「Bizプリカ」の決済情報の自動取り込みが可能です。
- 勘定奉行クラウド
- MajorFlow Keihi
- Money Forwardクラウド
- SAP Concur
- Keihi
- 楽々清算
特にこれまで領収書などから「立て替え」情報の手入力を行っていたなら、「Bizプリカ」を導入することで大幅な効率化を見込めることでしょう。
ただし2020年6月現在、他の多くの法人クレジットカードが提携している「freee」や「弥生」シリーズ等には対応していませんのでご注意ください。
法人向けクレジットカードと比べて見る、「Bizプリカ」のメリット・デメリット
- 事前チャージ式
- Mastercard加盟店で利用可
- 月100円/枚
- 提携ソフトを通し決済情報の自動入力可
┗関連手続きはネット上で完結可
…といった特性を持つ「Bizプリカ」。そのライバルとなるのはやはり、同カードと似た利点を持つ「法人向けクレジットカード」でしょう。
ここからは各クレジットカードと比べた「Bizプリカ」のメリット・デメリットについてお話しさせて頂きます。
①最大の特徴は「事前チャージ制だから、従業員の使えるお金を制限できる」こと
先にも触れましたが、法人クレジットカードと比べた「Bizプリカ」最大の特性は、やはり「事前チャージ式である」ことでしょう。
Bizプリカ(事前チャージ式) | |
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利点 | |
欠点 | |
法人クレジットカード(限度額式) | |
利点 | (支払いは月1度の引き落とし) |
欠点 |
悪い言い方をすると、「Bizプリカ」であれば従業員の方に対してイマイチ信用を抱けていない状況であっても貸与しやすいわけですね。
チャージの手間はリスク管理の代償と言っても良いでしょう。
ただしこれは逆に言うと、信用の置ける狭い範囲の方にのみカードを貸与する場合、チャージの手間が掛からない法人クレジットカードの選択が推奨されるということでもあります。
②カード利用状況が即時反映されるのも「Bizプリカ」の利点
任意のユーザーが「Bizプリカ」を利用した場合、その情報は即時、管理者のもとに送信されます。
これは「信用」ではなく事前に入金したお金を用いて取引を行うプリペイドカードならではの利点ですね。
クレジットカードの場合は使ったお店・サービス等にもよりますが、決済情報が届くまでに数日、あるいはそれ以上のタイムラグが生じることはさほど珍しくありません。
事前チャージ式であることから、もとより不祥事を防ぎやすい「Bizプリカ」ではありますが……。
「利用者が、いつどこで、いくら使ったかすぐに分かる」という意味ではクレジットカードより安全性が高いと言っても良いでしょう。
③一方、単にキャッシュレス決済を導入したいなら無料の法人クレジットカードが優先されるか
「事前チャージ式」「決済情報がすぐに通知される」という意味で、広い範囲の従業員に貸与しやすい「Bizプリカ」。
……ですがあなたが上記の「クレジットカードとの差別化点」にさほど魅力を感じないのなら、申込み先には従来の法人向けクレジットカードを選んだ方が良いかもしれません。
理由はいくつかありますが、やはり一番大きなものは「無料で作れる」点でしょう。
さらにクレジットカードであれば、「Bizプリカ」にないポイント還元・付帯保険等の恩恵も受けられますね。
NTTファイナンス Bizカード (レギュラー) |
※提携会計ソフトの明記なし、ただし「弥生」との紐付けは可能な模様 |
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ライフカード ビジネス (法人) |
|
無料の法人向けクレジットカードは、有料のものに比べ当然機能も制限されますが……。
単に「キャッシュレスで経費管理をしたい」というだけであれば、上記カードで十分だろうと思います。
特にNTTファイナンスのレギュラーカードは、無料カードにもかかわらずポイント還元・付帯保険ありと優秀ですね。
④ETCカード発行や3Dセキュア、継続的な支払い等を利用するならクレジットカードを選ぶべき
「Bizプリカ」は以下の支払いに対応していません。
- 継続的な支払い(会費など)
- ガソリンスタンドでの決済
- 高速道路(有人ブース)の通過料金
- 航空会社の機内販売
- 一部ホテルなどでの決済
- 他のプリペイドカードや電子マネー等へのチャージ
- お店を問わず、一回払い以外の決済
(分割払い、リボ払い等すべて不可)
従業員に上記支払いを行ってもらう機会があるなら、「Bizプリカ」の優先度は大きく落ちることでしょう。
この場合には法人クレジットカードの取得が現実的となります。
また「Bizプリカ」は、ETCカードの発行に一切対応していません。こちらもご注意ください。
⑤海外事務手数料も「Bizプリカ」の方がかなり高い
海外出張時、あるいは海外のサイト等を使い外貨で決裁を行う場合、どのカードにおいても「海外事務手数料」が発生します。
が、「Bizプリカ」の場合、この金額が法人クレジットカードに比べかなり高く設定されていますのでご注意ください。
Bizプリカ | 4.0% |
---|---|
NTTファイナンス Bizカード (レギュラー) | 2.2% |
ライフカード ビジネス | 2.0% (VISA、Mastercard) |
円以外の通貨で決済を行うことが多いなら、Bizプリカの利用はためらわれそうです。
⑥結局「Bizプリカ」と法人クレジットカードのどちらを選べばいい?
「Bizプリカ」と、優秀な無料法人カード「NTTファイナンスBizカード(レギュラー)」を比べた際の、一方に無いメリットをまとめると以下のようになります。
Bizプリカの利点 |
---|
→新人などを含め、広い範囲の従業員に持たせやすい |
NTTファイナンスBizカード(レギュラー)の利点 |
→信用のおける従業員にのみカードを貸与するなら、こちらの方が優秀 |
年会費無料にもかかわらず、サービス面で優れているのは明らかに「NTTファイナンス」の方。
ですが「事前チャージ式」という個性は替えが利きません。
まとめ
- 「Bizプリカ」は名前の通り、プリペイド(前払い)式のビジネスカード。
ネット手続きでチャージした分だけ、Mastercard加盟店(=ほとんどのクレジットカードが使えるお店)で利用可能 - 法人クレジットカードと比べた特徴は「従業員の使い込みを未然に防げる」点であり、広い範囲の従業員にカードを貸与したい場合に向く。
一方、ETCカード発行に対応していない等のデメリットについては事前に確認しておきたい
法人クレジットカードに比べると、コスパが良い…とは言い難い代わりに安全性の高い「Bizプリカ」。
チャージの手間(とは言ってもネットで完結)を掛けてでもお金のトラブルを未然に防ぎたい、という場合にはぜひチェックしたい決済方法と言って良いでしょう。
「Bizプリカ」の基本情報
発行対象 | 法人(個人事業主不可) |
---|---|
会費 | 月100円/枚 ※現在6ヶ月無料 |
発行枚数制限 | なし |
国際ブランド | Mastercard |
チャージ上限額 | 200万円/回 300万円/日 1000万円/月 1.2億円/年 |
チャージ手数料 | 無料 |
提携ソフト (2020年6月現在) |
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注意点 |
※上記に問題があるようなら、法人クレジットカードをご利用ください。 |