クレジットカード「申し込みブラック」の目安と脱出方法:多重申込みに甘い会社も
これが本当なら、申し込みはもう少し待った方が良いのかな?
結論から言うと、「欲しいクレジットカードに申し込む」程度であれば多重申込みが問題になることはほぼありません。
と言うのも、多重申込みによりいわゆる「申し込みブラック」状態となるのは、「半年間で5社~10社以上へ申し込み」を行った場合くらい。(会社によって異なります)
よほど無節操に申し込まない限り、この制限に引っかかることは無いでしょう。
今回はクレジットカードの多重申込みについて、審査へ及ぼし得る影響と「申し込みブラック」の脱出方法、そして多重申込み状態であっても通過報告の多いカード会社をまとめました。
いわゆる「金融ブラック」(長期間の延滞や強制解約、自己破産などを理由に陥る状態)、その他クレジットカードの審査通過条件については、以下のページをご覧ください。
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目次
多重申込みでクレジットカードの審査に通りにくくなるって本当?
「短期間に、あまり多くのクレジットカードに申し込んではいけない」というのは本当です。
ただし実はこの制限、よほどのクレジットカード・マニアでもない限り、あまり関係ないと思われるところも……。
まずはクレジットカードと多重申込みの関係について、簡単に見ていきましょう。
①多重申込みは悪印象……ながら、低めに見積もっても5社くらいまでならほぼ無問題か
確かにクレジットカードの審査において、多重申込み(短期間に多くのクレジットカードへ申し込むこと)は悪印象です。
おそらくその理由は「たくさんお金を使いたい人と見なされるから」あるいは「入会ポイント目的の申し込み&カードの死蔵、あるいは年会費発生前の解約を警戒されるから」と言ったところでしょう。
多重申込みのせいで新しい審査に通りにくくなった人のことを、一般に「申し込みブラック」と呼びます。
……が、クレジットカード会社は基本的に、カードを使ってくれる会員を増やしたいと考えているもの。多重申込者だからといって、将来の優良顧客になるかもしれない人を弾くのはリスクが高いです。
実際の申し込み例を見る限り、新規会員であっても「半年間で5社~10社」くらいまでであれば、ほぼ審査の上で問題にならないと思われます。
「多重申込み者に厳しいか・甘いか」というのは完全にカード会社の方針によるため、何とも言えないところではありますが……。
大体「半年間の申込み枚数が5枚以下」であれば、どのカード会社でも申込み枚数を理由に審査に落とされることは無い、と思って構わないでしょう。
というわけで、「手に入れたいけれど審査に通るか不安……」というカードがあったとしても、多くの場合で「ダメ元の申し込み」は問題になりません。
ちなみに多重申込みに甘い会社を狙ったり、悪印象を覆せるような経済能力がある場合には、10社以上の多重申込み状態であっても審査通過が可能です。
CHECK2.多重申込みに甘いカード会社はどこ?
★いわゆる「申し込みブラック状態」になるまで「5社~10社」……というのはあくまで申込先をクレジットカードに絞った場合の話です。
法律関係や支払い能力の確認がよりシビアになるカードローン等への新規申し込みを希望するなら、「申し込みブラック」を避けることはより重要となります。ご承知おきください。
(ただし消費者金融会社のカードローン審査であれば、申し込み履歴含む信用情報より「借入が必要な事情」等が重視されることも多い。アコムACマスターカードのキャッシング枠も同様)
★カードローンと同じく支払い能力を見るという点において、「新しいリボ利用枠を狙っての申し込み」(=現在のリボ利用枠がいっぱい、つまりお金に困っている等)と見なされれば審査通過は難しくなると考えられます。
ただ、これはあくまで支払い能力の問題なので、多重申込みと直接の関係はありません。また、リボ利用枠がいっぱいであっても支払い能力さえ認められれば(主に収入が高ければ)新しい審査に通過できることはあります。
②申込情報は6ヶ月で消えるので、不安ならこれを待って申し込みを行おう
ここまでご覧になって、「そもそも何でカード会社は申込み者の申し込み履歴を知っているの?」と疑問に思われた方は多いでしょう。
前提として、クレジットカード会社は審査の際、「個人信用情報」というものを必ずチェックします。
個人信用情報とは、あなたのクレジットカードや各種ローンの利用履歴・利用状況のことで、これを見れば「○月×日、A社に申し込んだ」「○月△日時点でリボ残高◇◇円」「○月☆日、B社の支払い延滞中」といった情報がすべてわかるんですね。
(カードの規約をよく見れば、この個人信用情報の登録について記載があります)
言うまでも無く、「申し込みブラック」に関わってくるのは「各カード等への申し込み履歴」。
ただこの申し込み履歴、実は延滞情報(最長5年残る)とは異なりたった6ヶ月で消滅してしまいます。つまり一回申し込みブラック状態となっても、6ヶ月待てば簡単に脱出できるというわけですね。無論、この際に何らかの申請や手続きも必要ありません。
そういうわけで、今現在あなたが申込ブラックかもしれない、とお考えであるのなら、最後の申し込み(あるいはそれに近い申し込み)から6ヶ月を開けた上で、新規申込を行うのが良いでしょう。
★同じ理由で、あるカードの審査に落ちてしまった場合には、申し込み履歴の消える「6ヶ月後」以降に再チャレンジを行うことをおすすめします。
(カード会社によっては6ヶ月以内であっても、収入アップなどの理由があれば審査通過が可能ではあります)
個人信用情報に掲載される「申し込み履歴」には、新規申し込みはもちろん「カードの切り替え審査」「増枠審査」に関する情報も掲載されます。
(切り替え……主にカードのグレードアップを指す)
なので多数のカードで切り替えや増枠の申請を行った場合には、それだけで申し込みブラックに近い状態に陥ることもあります。
申し込み履歴への記載 | 審査への影響 | |
---|---|---|
新規申し込み | あり | あり |
カードの切り替え (例:一般カード→ゴールド) | あり | あり |
増枠 | あり | あり |
途上与信 | なし (途上与信履歴に記録) | なし |
とは言えこちらの情報も新規申し込みと同じく、6ヶ月間で消去されます。
また、十分な支払い能力があればさほど大きな問題と取られないことも多いでしょう。
★カード会社が契約後に定期的に行う審査(途上与信)は申し込み履歴に含まれません。
途上与信とは、契約中のカード会社が信用情報に変化がないか(他のカードで延滞や金融事故を起こしていないか)というのをチェックするものです。
途上与信を行ったという記録は申込履歴とは別の管理となっていて、「他のクレジットカード会社」から見ることはできません。
つまり、途上与信履歴は保存こそされるが、新規や増枠等の申し込みと異なりクレジットカード会社の立場では確認できない=審査にかかわることもないというわけです。
多重申込みに甘いカード会社はどこ?
ここからは「6ヶ月なんて待っていられない!」というあなたのために、比較的多重申込みに甘いとされるカード会社を紹介していきます。
①新規なら多重通過例が多いのはエポスカード、JCBあたり
世の中にはいろんな人がいるものですが……。
「申し込みブラック状態と分かってクレジットカード会社への突撃を続ける、いわゆる多重戦士」と呼ばれる存在もその一つで、半年間での申込件数20件・30件といった状態でなお、審査を受け続ける方々はいつでも一定数いらっしゃる模様。
そんな「多重戦士」の情報を見ている限り、申し込みブラック状態であっても新規での審査通過率が高いのは「エポスカード」「JCB」、あとはイオンカードの中でも特に「イオンルネサンスカード」あたりでしょう。大体10社前後の申し込み、かつ支払い能力が認められれば、申し込み状況は大きな問題とならないようですね。
(ちなみにイオンルネサンスカードとは、「スポーツクラブルネサンス」の入会時に申し込めるカードなのでちょっと毛色が異なります。
ネット申し込みもできないので、よほどカードが欲しい場合にのみご検討ください)
★ここで言うJCBカードとは、「国際ブランドJCBが乗っているカード」ではなく「JCB社が発行するカード」のみを指します。
(例:楽天カード社が発行する楽天カードJCBは対象外)
基本的には「Oki Dokiポイント」が貯まるクレジットカード=JCB社が発行するカード、とお考えいただいて良いでしょう。(例外もありますが)
このあたりのカードで特に汎用性が高いのは、年会費無料かつ還元率の高めな「JCBカードW」でしょうか。
![]() | ![]() |
年会費 | 無料 | 国際ブランド | JCB |
---|---|---|---|
基本還元率 | 0.8%前後 (Oki Dokiポイント) | 利用可能枠 | 10万円~100万円 |
海外旅行傷害保険 | 最高2000万円 | 国内旅行傷害保険 | なし |
ショッピング補償 | 年間最高100万円 ※海外ショッピングのみ対象 | 追加発行可 | ETCカード QUICPayカード 家族カード (本会員が学生の場合を除く) |
付帯電子マネー | 無し | 支払日 | 毎月15日締め 翌10日払い |
申し込み条件 (公式HPより) | 18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。または高校生を除く18歳以上39歳以下で学生の方 | ||
その他 | インターネットで口座設定を完了させられる方のみ利用可 (=申し込みには指定銀行口座が必要) |
JCB CARD W
年会費 | 永年無料 | ETC 年会費 | 永年無料 |
---|---|---|---|
国際 ブランド | ![]() | 還元率 | 1.0%〜7.0% |
- 39歳以下だけが申し込める特別なJCBカード!
- 普段からポイント1.0%還元と一般カードの2倍!
- Amazonやセブンイレブン、スタバなどよく行くお店でポイントアップ!
- 海外旅行保険が最高2000万まで補償!
◎家族カード有り
Amazon.co.jp利用額 20%キャッシュバック
(最大10,000円/2022年6月30日まで)
年会費 | 無料 | 国際ブランド | VISA |
---|---|---|---|
基本還元率 | 0.5% (エポスポイント) | 利用可能枠 | 非公開 |
海外旅行傷害保険 | 最高500万円 | 国内旅行傷害保険 | 無し |
ショッピング補償 | 無し | 追加発行可 | ETCカード |
付帯電子マネー | 無し | 支払日 | 支払い方法による |
申し込み条件 | 満18歳以上のかた ※高校生を除く | ||
その他 |
エポスカード
年会費 | 永年無料 | ETC 年会費 | 永年無料 |
---|---|---|---|
国際 ブランド | ![]() | 還元率 | 0.5% |
- マルイ店頭で受取り、申込みができる
- ETCカードは別途郵送
- 海外旅行傷害保険・カード補償付
- VISAタッチが可能
◎家族カード無し
もちろんJCBのANAカード、東京メトロ提携カードなども、提携交通機関を利用する機会があるのならとても有用ですね。
これらの会社についてももちろん、100%申し込みブラックが問題にならないと言うことはできませんが……。
新規申し込みに6ヶ月も待てない!という場合には、ダメ元に近い気持ちで検討してみても良いでしょう。
★その他、三菱UFJニコス系カード、アメリカン・エキスプレス・カード、「マジカルクラブTカード」などにも一定の通過報告が見られました。
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……というよりクレジットカードの場合、支払い能力さえ認められれば、申し込み履歴だけを理由に足切りされることは滅多に無いと思われますので、欲しいカードがあるならダメ元で申し込んでみても良いかと思います。
(審査落ち後の再チャレンジには、目安6ヶ月の期間を空ける必要がある点には注意が要りますが)
②申込先カード会社の既存会員なら、申し込みブラックが問題にならないことは多い
もしもあなたが申込先カード会社の既存会員であれば、少しの問題点(申し込みブラック)は気にされないことも多いです。
(例:現在JCBのANAカードを持っている状態で、JCBのプロパーゴールドへ申し込む場合等)
もちろん、これまで申込先のカード会社で長期延滞などの問題を起こしていないことは前提条件となりますが……。
既に付き合いを持っている会社が発行する別のカードが欲しいのなら、現在の申込状況にかかわらず、新しいカードへの入会申請を行ってみても良いでしょう。
クレジットカード(あるいは多重申込み自体の)マニアでもない限り、あまり需要の無い情報かもしれませんが……。
「三井住友カード」「クレディセゾン」といった、複数のカードに「共通枠」を設けるカード会社の場合、既存会員に対する審査はかなり甘い傾向があります。
(共通枠……複数のカードに対し、1つの利用限度額を定めること。例えば利用限度額が30万円であれば、AカードとBカードの利用額「合計」が30万円を超えることができない)
つまり既に三井住友カードやセゾンのカードを持っているのなら、2枚目以降の同社発行カードは申し込みブラックであっても手に入れられる可能性が高い、ということですね。実際、この2社については20~30件といった多重状態での審査通過報告も多かったです。
まとめ
クレジットカードに限って言えば、入会特典や利用可能枠目当てでの申し込みを繰り返さない限り、申し込みブラック状態に陥ってしまうことは滅多にありません。
にもかかわらず審査通過が難しくなった場合には、「6ヶ月待つ」か、「多重申込みに甘めの会社」、あるいは「既存会員となっている会社」への申し込みを検討してみるのが良いでしょう。
★その他のクレジットカードの審査落ち要因については、以下のページをご覧ください。
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